美術館と博物館等の散歩記録

美術館、博物館、寺社の宝物館、特別拝観、各地の特別公開を綴ります。

2019年8月17日、富山県水墨美術館で、幽霊画と地獄絵を観る

2度目の水墨美術館鑑賞は、初回とは対照的の夏空です。

 

高崎を出発したE7系新幹線のはくたか号は、長野まで無停車です。軽井沢には停まらないこともあり、車内は閑散としていました。毎回思うことですが、これでは、北陸新幹線ではなく、「軽井沢新幹線」ともいえます。

 

水墨美術館へは、大学前方面へ行く、地鉄の市内電車に乗ります。電車は神通川を渡り、端を下った所の、富山トヨペット本社前で降りると、美術館までは歩いて10分前後です。

 

会館20周年で開かれた今回の企画展示のテーマは、「夏の美術館へようこそ 幽霊と地獄」です。

 

展示室の前半は、幽霊画です。

最初に姿を見せた幽霊は、応挙の筆によるものです。応挙は幽霊を描いても、その姿は写実的です。

 

向かい側のショーケースには、南相馬の寺に所蔵されている幽霊画が、ずらりと並べられています。

描かれているのは女性もいれば、怖い表情の庄屋もいます。こちらの庄屋さんは、自らを殺した代官の夢に現れたという言い伝えもあるようです。

 

これらの幽霊画も、東日本大震災では、他所の場所への避難を余儀なくされました。幽霊よりも怖いのは、自然災害ともいえます。

  

展示室の後半は、地獄絵です。

富山らしい地獄絵といえば、立山地獄と立山曼荼羅が展示されています。

確かに、立山の地形は、地獄に喩えるには相応しい険しいものです。

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立山地獄

 休憩スペースには、水墨画立山地獄が展示されていました。この絵だけは、写真撮影もできました。

 

その他の地獄絵の中には、六道絵が5枚並べられています。

畜生道、餓鬼道、修羅道の絵をじっくりと眺めていると、現代の社会問題が、そのまま描かれているようにも感じられました。

 

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水墨美術館

幽霊画と地獄絵を見終わった後は、芝生の庭も鑑賞します。

芝生もまた、水墨美術館の見所の1つであると思います。

 

私の中では、新宿御苑、水墨美術館、後楽園の芝生は、好きな芝生に挙げられます。

 

 

鑑賞日:2019年8月17日(土)

観賞場所:富山県水墨美術館

鑑賞料金:900円