美術館と博物館等の散歩記録

美術館、博物館、寺社の宝物館、特別拝観、各地の特別公開を綴ります。

2019年11月4日、島根県立美術館にて『黄昏の絵画たち 近代絵画に描かれた夕日・夕景』

昨年11月4日は、宍道湖畔に建つ、島根県立美術館を訪れました。

 

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宍道湖

2019年で開館20周年を迎えた美術館では、昨年11月4日まで、『黄昏の絵画たち』を開いていました。

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島根県立美術館

この展示のことを知ったのは、昨年7月に、しんじ湖温泉のちどり湯にて、割引券をもらった時です。
当初は、9月初旬に訪れる予定でしたが、諸般の事情により中止、開催最終日でようやく、松江での美術散歩が実現した次第です。

 

館内では、出品目録と鑑賞の手引き片手に、日英仏伊の画家が、近現代に描いてきた、夕日・夕景を鑑賞します。

 

作品の所蔵は、全国各地の美術館から借り受けたものがほとんどです。
このようなことは決して珍しいことではなく、美術館・博物館の世界においては、公営民営を問わず、横のつながりが深いものです。

 

同じ夕日・夕景を描いたものであっても、油彩、水彩、版画に至るまで、様々な手法があって面白いものでした。

 

展示の後半では、北斎、広重に始まり、日本人の作品が増えてきます。
それらの中でも特に印象に残ったのは、菱田春草と小野竹喬の画でした。日本と西欧が融合した、近代以降の日本文化を象徴しているような作品ともいえましょう。

 

他の作品の中には、働く人も描かれていました。

現代人と比べると、昔の人は屋外で働く人が多く、また、電気が普及する前には、夕日が時を知らせる大切な手段であったことは、手引きでも述べられています。

その頃から比べると、朝日・夕日を意識しなくても生活できてしまう、我々現代人は、夕日・夕景を描くモデルとしては、少々物足りないようにも思われます。

 


鑑賞日:2019年11月4日(月)、晴れ
観賞場所:島根県松江市
鑑賞料金:900円(特別割引券使用)