美術館と博物館等の散歩記録

美術館、博物館、寺社の宝物館、特別拝観、各地の特別公開を綴ります。

2020年12月13日、和歌山市立博物館で『紀三井寺展』を鑑賞

昨年12月13日は、和歌山市立博物館で開かれていた、「紀三井寺展」を観に出かけました。この特別展は、12月13日が最終日でした。

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紀三井寺

2階の特別展示室では、開創1250年を迎えた、紀三井寺の寺宝が展示されました。

室内に入るとすぐに、紀三井寺を開いた為光上人像と、元の御前立ちとも伝わる、重要文化財の十一面観音様に出迎えられました。

通常の拝観であっても、御前立ちに近づくことはできません。
これは大変貴重でした。穏やかなお顔立ちの観音様は目を閉じて、衆生の話に耳を傾けています。
左手には、ハスの蕾が入った一輪挿しをお持ちです。花瓶の水は、あらゆる病に効くそうです。

1250年の歴史の中で、紀三井寺は、一時期廃れそうになったこともあったようです。
展示品の中には、再興のための勧進を行う文書や観音様の功徳を説く曼陀羅も並べられました。これらは、今日で云うところのクラウドファンディングといえましょうか。


紀三井寺展を観た後は、1階は、常設展示室にも立ち寄りました。こちらでは、市内の地形パネルや城下町の模型に注目しました。
それによると、博物館の場所は、1500年前には砂地でした。
更に、紀ノ川の流れは、博物館の北ではなく、現在の外堀を流れて、紀三井寺の先で海に注いでいたことも分かりました。


鑑賞日:2020年12月13日(日)、晴のち曇り
観賞場所:和歌山市立博物館
鑑賞料金:500円