昨年12月27日は、約9年ぶりに、岡山・井原の田中美術館を訪れました。
当日は、新しい美術館に建て替え前の、最後の開館日でした。新館が完成するのは、3年後の春です。
最終の展示期間ということで、入館料金は無料でした。
無料で3フロアに亘って田中作品を観られるとは、大変有り難いことです。
お客さんの数は少なく、ゆっくりと各々の作品の躍動感を観られます。
1階には、9年前の観賞でも覚えている、岡倉天心をモデルとした「五浦釣人」が厳しい表情で立っています。
2階には、良寛和尚、弘法大師、聖徳太子といった著名人に加えて、田中の家族をイメージした作品も加わります。
特に、横座りで優しいお顔立ちの小さな観音様ほ、観る者を惹き付けます。
3階には、市川団十郎をモデルとした「鏡獅子」が現れます。更に、書も並びます。
心の目も開いてみると、どちらからも、表には出て来ない、骨格のような、芯のようなものが見えて来そうです。
書に目を向ければ、「わしがやらねばたれがやる」と「六十七十は、はなたれ小僧~」が掲げられます。
これらの言葉は、何年経っても色褪せない名言です。
鑑賞日:2020年12月27日(日)
観賞場所:井原市立田中美術館(岡山県井原市)