昨年8月21日は、京都市京セラ美術館を初めて訪れました。
初めての京セラ美術館散歩では、開館1周年記念展として、上村松園の作品を鑑賞しました。
私が上村松園の画に初めて出会ったのは、約10年前に、北浦和の県立美術館でのことでした。奈良の松伯美術館も訪れたことがあります。作品には、心の眼を開けば開くほど引き込まれて行ったことを覚えています。
館内北回廊での展示は、松園の作品が年代順に、5章立てで並びます。
1章目と2章目は、私が知っている松園作品よりも、幾分写実的に見えました。
馴染みある作風が現れて来るのは、第3章からでした。
解説でも述べられていましたが、松園の作品の面白さは、余白や画の隅にも見出されます。
構図の多くは、真ん中に女性を、隅の方には、季節の動植物がちょこんと描かれます。
松園が亡くなる前の最後に描いた「初夏の夕」にも、ちょこんとホタルが現れます。
心の眼を開くと、異常気象ではない、初夏の中に入って行けそうでした。
数枚のモミジの落ち葉が描かれている「深き秋」でも、晩秋の空気にも浸れるようにも思ってしまいます。それと共に、画全体に入り込むと、心地良い「侘び寂び」までも感じられました。
ミュージアムショップでは、ポケットサイズの画集を買って帰りました。
観賞日:2021年8月21日
料金:1800円