美術館と博物館等の散歩記録

美術館、博物館、寺社の宝物館、特別拝観、各地の特別公開を綴ります。

6月11日、『ルーヴル美術館展 肖像芸術―人は人をどう表現してきたか』

各地の美術館において月曜休館が多い中で、乃木坂の国立新美術館は、月曜日も開館しています。こちらでは、『ルーヴル美術館展』が開かれています。

 

美術館は、千代田線の乃木坂駅と直結しています。乃木坂駅で降りるのも、新美術館へ入るのも、今日が初めてのことでした。

 

今回の企画展示の面白さは、肖像に特化していることにあります。「肖像」というと、私はすぐに国内外の肖像画を連想してしまいますが、館内の展示品は、画だけではなく、彫刻も数多く見られます。

 

序盤は、主に紀元前のギリシャで彫られた、石造りの肖像が並びます。手元の展示目録にも、展示品のプレートにも、石の材質まで記載があり、素材についても注目すると、ほとんどが大理石です。

 

中盤が近づくと、油彩画やブロンズ像も現れます。木の板に直接描かれているものもあります。この辺りまでやって来ると、描かれている人物は、中世のフランス王族や貴族です。権力者と肖像には、密接な関係があることは、フランスでも日本でも共通しているといえます。

 

終盤になると、文人墨客や一般の人が描かれる作品も出てきます。家族を描いた作品をじっくり観てみると、犬も描かれています。犬もまた、家族の一員という位置づけなのでしょうか。

 

エピローグの箇所に掲げられている、遊び心満載な、ジュゼッペ・アンチボルドの作品を眺めているうちに、閉館時間が迫ってきました。100を超える作品があったせいか、あっという間に1時間半が経ってしまった、充実した美術散歩となりました。

 
 

鑑賞日:2018611日(月)

観賞場所:国立新美術館

料金:当日券1600