美術館と博物館等の散歩記録

美術館、博物館、寺社の宝物館、特別拝観、各地の特別公開を綴ります。

2018年9月30日、『京都・醍醐寺 真言密教の宇宙』を鑑賞

9月最後の美術散歩は、台風接近に伴い、予定を変更して、六本木ミッドタウンのサントリー美術館へ出かけました。当初の予定は、京都にて、東山魁夷展を観る予定でした。

 
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サントリー美術館では、1111日まで、『京都・醍醐寺 真言密教の宇宙』が開かれています。

醍醐寺といえば、私は10年ほど前に、西国札所の上醍醐へお参りしたことがあります。

 

16時頃に入館すると、係りの人より、台風の影響により、本日は17時に閉館する旨の案内がありました。公共交通機関の運行状況を踏まえれば、これはやむをえないことと思われます。

 
 

展示は4章構成、展示室は、4階と3階に分かれます。

 
 

順路はまず、4階に向かい、醍醐寺の開基と真言密教に関する展示を鑑賞します。

展示物の多くは、国宝や重要文化財に指定されています。

 

4階の展示品の中で、最も私が興味を持ったものは、弘法大師の筆によるものと伝えられる、国宝の、『大日経開題』でした。

 
 

この文書には、様々な大きさや書体で書かれた文字が、紙一杯に埋まっています。文字を観ていると、弘法大師が熱心に密教を学び、研究していた様子が分かります。それと同時に、几帳面な性格であったようにも、私には読み取れました。

 

更に、文書類では、醍醐寺で行われてきた、天皇や時の権力者への祈祷に関する手順を、図面も交えて書いてあった資料も、大変興味深いものでした。

 
 

3階の展示室に下りると、そこには大きな薬師様が待ち構えていました。

大きな手のひらの上に、小さな薬壺を持った薬師様を前にすると、今後も健康でいられるように願うべく、思わず私は手を合わせてしまいました。

 

薬師様をはじめとして、展示室内には様々な仏像も展示されていました。それらの多くは木造でした。

 

3階の展示室は、4階よりも少しばかり早足で鑑賞を終えました。

展示室を出た後は、ミュージアムショップに立ち寄り、クリアファイルを買って帰りました。

 

ミッドタウン内では、美術館以外のテナントも、早い時間に店じまいをしている様子でした。

 
 

今回の展示を通じて私は、醍醐寺を開いた弘法大師の孫弟子とも位置づけられる、聖宝と中興の祖ともいえる、義演の2人の名前を初めて知りました。醍醐寺を知る上で、この2人のことは、しっかりと覚えておきたいものです。

 

鑑賞日:2018930日(日)

観賞場所:サントリー美術館

鑑賞料金:1400円(インターネット割引)