鑑賞日:2023年5月20日(土)、曇り
料金:1500円(前売電子チケット)
5月20日は、多賀城の東北歴史博物館で、『悠久の絆 奈良・東北のみほとけ展』を鑑賞しました。
この展覧会のことは、東北放送(tbc)ラジオのCMを通じて知りました。
tbcは、この『悠久の絆 奈良・東北のみほとけ展』の主催者でもあります。
今回は、ウェブで前売の電子チケットを買いました。
博物館の当日券売場には、行列ができていたので、今回は前売券を買って正解でした。
受付では、スマホに表示されたQR画面を読み取ってもらい、展示室に入ります。
室内の撮影はできませんでした。
展示内容は、5章立てです。
第1章のコーナーには、主に薬師さんと観音さんが集まっています。
入口には、唐招提寺の薬師さんが立ち姿で、入館者を迎えています。
立ち姿の薬師さんの隣には、日光さんと月光さんを従えた薬師さんが座っています。こちらの薬師三尊は、会津の勝常寺からやって来ました。
薬師さんの次は、その姿から、出身は奈良ではないかとも伝わる地元仙台の観音さんが立っています。
観音さんの腰には、地震で怪我をされないようにでしょうか、免震用の支え棒が施されています。他の仏さんたちの台座にも、展示に際しては、免震の工夫がなされているようです。
何体かの観音さんの前を過ぎて、今度は、唐招提寺と勝常寺の持国天と増長天が並んでいます。
第1章で観て観てきた仏さんの多くは、一本木で刻まれていることと、インド風の御姿をされていることが共通しています。専門家でなければ、どの仏さんが奈良で、どの仏さんが会津なのかは、説明書きを読むまでは気付けないと思いました。
刻まれた時代には1世紀分の時間差があるものの、奈良と東北の文化的なつながりは読み取れます。
会津においては、奈良から下って庶民の救済に生きた徳一の役割が大きいと考えられます。
第2章では、法隆寺からやって来たお釈迦さん、聖徳太子に続いて、唐招提寺を開いた鑑真和上が座っています。
鑑真さんも、薬師さんと共にパンフレットの表紙に載っています。
ガラスケースの中で瞑想しているようにも見える鑑真さんの周りは1周できます。正面から拝見するとふっくらとした様子の鑑真さんですが、横から拝見すると、何ら無駄のない細身でした。
第3章の主役ともいえる仏さんは、強面の獅子に穏やかなお顔立ちで乗っている、大小様々な文殊さんです。
文殊さんは、次の章で待っている、行基菩薩とも縁があるようです。
獅子座の私は文殊さんと共に、獅子にも注目してみました。
第4章に入ると、仏さんに加えて、絵巻物や小さな装飾品も展示されているために、先ほどよりも多少混雑しています。そこで、第4章は少し足を早めます。
しかし、隣の隣の部屋では、再びゆっくりと鑑賞します。こちらには、土門拳が、奈良の仏さんのお顔立ちに迫った写真が並んでいます。
仏さんの顔が並ぶ隣は、第5章として、胴体だけの仏さんが立っています。
否、肉眼では見えないだけであって、心の眼を開けば、ぼんやりと御姿全体が見えて来そうでした。