美術館と博物館等の散歩記録

美術館、博物館、寺社の宝物館、特別拝観、各地の特別公開を綴ります。

4月30日、「東大寺と東北 復興を支えた人々の祈り」を観る(前編)―東大寺の宝物を観て、東北との絆を学ぶ―

4月30日は、多賀城東北歴史博物館で開催された、標記の展覧会を観て来ました。

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こちらの展覧会は、主催者にも名を連ねる、『日経新聞』の特集記事を読んで知り、東大寺の宝物を是非観ておきたいと思いました。

金色に輝くお釈迦様、全てを悟ったような表情をした、本物の重源上人坐像、朗らかな表情をした、木彫りの弥勒菩薩坐像といった展示品は、国宝に指定されています。

それぞれの彫物の表情に注目してみると、様々な違いがあって、大変興味深いものでした。

今回の展示ではまた、東大寺と東北との関わりについても学ぶ良い機会でした。
例えば、今日でも、お水取りで用いられる衣は、県南部の白石で漉かれた和紙を用いているそうです。

古くから、東大寺の復興を東北の人達が助けてきた御礼として、東大寺としても、東北の震災復興のために、宝物を出張させたのでしょう。

平城京多賀城の関係も含めて、奈良と東北には、浅からぬ縁があるといえます。


仙台駅の東口近くに建つ、東北福祉大のギャラリーでは、「東大寺と東北」との関連展示として、小泉淳作が描いた、東大寺の襖絵が展示されています。襖絵には、ハスの花を描いたものと、サクラの花を描いたものの2種類が飾られています。ギャラリーの真ん中に立って、ハスやサクラの襖絵を見渡すと、大変清々しい気分になりました。


鑑賞日:2018年4月30日(月)、晴れ

 「東大寺と東北―復興を支えた人々の祈り―」、「東大寺・奈良を彩る花の襖絵展」共通前売券:1800円


経路:
宿→仙台<<東北本線>>国府多賀城→壺碑→多賀城跡→東北歴史博物館国府多賀城<<仙石東北ライン>>仙台→TFUギャラリー→仙台