昨年11月17日は、安曇野の穂高にある、碌山美術館を訪れました。
安曇野出身の画家・彫刻家の荻原碌山の作品を展示する美術館は、2018年で60周年を迎えました。
最も古い建物は、碌山が10代で洗礼を受けた、キリスト教の礼拝堂のような造りです。
建物に向かって左手には、カリンの木が黄葉を迎えていました。
また、水飲み場と休憩所には、この木で実った、甘い香りのするカリンの実が飾ってありました。
建物に入ると、暖炉で薪が燃えています。
展示室には、碌山が30歳で亡くなるまでの僅かな期間で造った彫刻が10数点並べられています。
作品の中には、重要文化財の『北條虎吉像』と『女』も含まれます。この2点の表情は、一目見ただけで、鑑賞者の心を動かします。椅子に腰掛けて、全ての作品を見渡してみても、2点の表情は際立っていました。
次の建物には、画家であった頃の碌山作品、その次には、碌山と交流のあった人物の作品に加えて、美術館の歴史についても触れられています。
美術館は、地元の人の発案と寄付によって、土地は当時の町が提供して、地元の中学生もレンガを運んだともいわれている、半ば手造りの美術館であったようです。
美術館では、作品と庭の木々を交互に眺めているうちに、松本行きの電車の時間が近づいてきました。
鑑賞日:2018年11月17日(土)、
観賞場所:碌山美術館(長野県安曇野市)
料金:700円