美術館と博物館等の散歩記録

美術館、博物館、寺社の宝物館、特別拝観、各地の特別公開を綴ります。

2018年9月29日、「京のかたな 匠のわざと雅のこころ」を鑑賞

鑑賞日:2018年9月29日(土) 

鑑賞料金:1300円(前売り券購入) 
 
イメージ 1
 
 昨年の9月29日は、京都の国立博物館を始めて訪れました。 
当日は、「京のかたな 匠のわざと雅のこころ」の開催初日でした。 
私は以前から、数々の刀に出会えるであろう、この特別展のことを楽しみにしており、久しぶりに前売り券を買って入館しました。 
 
博物館のツィートによると、日中は入館まで30分待ちの行列が出来たとの情報でした。 
しかし、私が入館した18時前には、行列はなかったものの、展示室は比較的混雑していました。 
 
京の刀鍛冶は、平安時代にまで遡ります。最初にまとまった刀鍛冶の集団が現れた場所は、三条通りです。その後、五条、粟田口へと、時代と共に移りました。 
 
一部の時代を除いて、京の刀は、大小にかかわらず、表面はツルツルに光り輝いています。中腰になって刃を見上げると、刃文には、以前観た備前刀と比べると、細かい模様は見られません。
また、相州刀に見られる沸えも、さほど見られません。 
 
展示品の一部は、平面ではなく、どの方向からも鑑賞者が刀を見られるようなショーケースに入れられています。これによって、刀の根元に当たる部分の断面も観られます。 
やはり、断面を観ると、鉄が幾層にも鍛錬されている様子が分かります。断面を観れば、匠の技は日々の積み重ねで磨かれることにも気付きます。 
 
刀では、刀鍛冶ばかりが注目されますが、光り輝く京かたなにおいては、研ぎ師による匠の技も注目に値します。 
 
昼間に乗って来た飛行機の機内雑誌では、京都で銅鏡を作る職人の記事が掲載されていました。鏡職人の磨きの技もまた、刀の研ぎ師の技に匹敵する素晴らしさです。 
素人の目には、ざらざらの金属を、あそこまで輝かせてしまう技が、神秘的でなりません。
 
 古代から現代までに至る、200もの刀を観て歩いているうちに、時刻はあっという間に、閉館時間の20時になってしまいました。