横浜の三渓園の「三渓」とは、造園した原三渓に由来すること、その三渓は、多数の美術品を収集していたことを私が知ったのは、この夏になってからです。
その三渓のコレクションが、各地の所蔵場所から横浜へ集まるという情報を得て、できれば平日の空いている時に、横浜を訪れたいと思いました。
今回の展示の主催者に名を連ねている日経新聞は、8月2日の文化面にて、三渓の特集記事が掲載されました。
館内の展示は、プロローグを含めて、5章で構成されていました。
第2章では、平安時代に描かれ、刻まれた仏様の表情や、江戸時代に描かれた、応挙の作品には、特に見入ってしまいました。
第4章では、三渓自身の書画作品が並べられています。
画では、ハスの花が活き活きと描かれていました。
書の筆捌きからは、三渓の大らかさと芯の強さの両方が垣間見られました。
第5章では、三渓の元でも創作に励んだ、大観の「柳蔭」が、他を圧倒していました。
コレクションと共に、興味深かった展示品は、三渓関連文書です。
そこには、三渓自筆とされる、作品の買入れ記録、蔵書の目録といったものが観られました。
こうした記録は、後の時代においては、コレクションと同じくらいに価値あるものといえます。
三渓さんの詳細な記録集に私も倣って、鑑賞記録はどんな駄文であっても、綴っておきたいと思いました。
鑑賞日:2019年8月7日(水)
観賞場所:横浜美術館
料金:1600円