美術館と博物館等の散歩記録

美術館、博物館、寺社の宝物館、特別拝観、各地の特別公開を綴ります。

6月30日、「生誕150年 横山大観展」を鑑賞

6月30日は、夕方から京都の国立近代美術館に出かけて、横山大観展を鑑賞しました。

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館内の展示は、約90年生きた大観の作品を、明治、大正、昭和の順に、年代順に並べていまました。
描かれているものも、画材も、偏りなく、バランス良いものでした。

また、作品の解説文も、単なる大観への賛辞ではなく、客観的に記されている点にも、好感を持てました。

大観の名前を聞くと、私が真っ先に思い出す所は、北茨城の五浦海岸です。

五浦海岸の日帰り温泉には、「大観の湯」と名づけられています。
五浦は、作風が世に認められていない頃の大観が、師匠の岡倉天心に従って、創作活動や魚釣りをして過ごしていた地でもあります。

モノトーンの水墨画を観ても、色鮮やかな屏風絵を観ても、その奥底には、大観が目に見えない空気、力、心を描いているように感じられました。

例えば、水の循環を描いた『生生流転』はもちろんのこと、秩父長瀞を描いた巻物の作品からは、川の流れや水しぶきまで想像できてしまいます。画は観るものではなく、観て読み取るものではないかとも考えられます。

ミュージアムショップでは、作品『紅葉』がプリントされたクリアファイルを買って帰りました。
『紅葉』もまた、決して紅一色ではない葉っぱの表情、木の枝振りが活き活きと描かれています。


鑑賞日:2018年6月30日(土)
料金:1500円